「高齢者の長期入院」80代男性・無職
本日は自宅で転倒して「1カ月半」入院していた高齢男性患者さんのリアルなお話です。
来院されるまえに当院に顔を出してくださったときには退院して2週間たっていました。
無気力な表情で痩せて頬がこけていて、足元もおぼつかない感じで少しフラフラしていました。
「どこが痛いという訳ではないんだけど、まともに歩けないんだ」
そういって来院されました。
身体の芯が弱っているような、なくなったような感覚で
まともに歩けずにフラフラしてしまうそうです。
退院してドクターはなおったからもう何しても大丈夫というんだけど
足腰に関しては全くなおっている感じがしないんだ…
そんなことを訴えていました。
院長は足腰中心の筋肉を刺激してすべての関節を動かしていくモビリゼーションを行いました。
長期入院で動かなくなって衰えてしまった筋肉と神経系を刺激しました。
4日後に来院された時には、力強く歩けていました。
そして年明けに来院されたときには入院前のレベルに戻っていました!
高齢者は長期入院するとあっという間に体力が衰えます。
一日中家にいることが多くなると、気力も衰え
外出しようという気持ちも低下してきます。
興味関心事も減り、心配と不安が強まって頭の中がマイナス思考になり
笑顔が消え、表情が乏しくなり、無欲状顔貌になることもあります。
目の力が弱くなり輝きも消失してきます。
この方は入院前から運動・趣味・外出が好き・他人とかかわることが好きなど
普通の高齢者の方よりも相当元気な方でした。
しかし、長期入院してしまうとなかなか元に戻るのに時間がかかったり
そのまま寝たきりになるケースが多いので注意しましょう。
特に当院に来てくれている現役世代の方のお父さん・お母さんが
このような事になる可能性はあるのです。
高齢者の方には親切に、声をかけてあげたり、気遣ってあげたりすることは大事です。
元気なお年寄りも増えていますが、弱っている方も沢山います。
自分の親が家に引きこもって外出しなくなった、人と会うのが嫌になった
食生活が悪くなり、甘いものばかり食べるようになった、寝ていることが多くなったら
ちょっと気にしてあげましょうね!